ミニマリスト ひかるの本棚

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誰もが、普通の、大変な人生を生きている【ツリーハウス】

新宿にある、 翡翠飯店の3世代にわたる クロニクル。

 

 

 

 

 

 

★感想(ネタバレなし)

大好きな角田光代さんの長編小説で、新宿の角筈翡翠 飯店 という 中華料理屋を営む 家族の3代に渡る壮大な物語。

 

 

戦時中の多くの人々が味わった苦悩や、学生運動新興宗教組織の問題など、日本社会全体に起きた 多くの事件が、いわゆる普通の家庭にさまざまな影響を及ぼしながら、それでも力強く生きていく人々を描いた、普通の人々による人生を描いた傑作です。

 

 

これを読みながら一番感じたのは、どのような人々であれ その背景には多くの悩みや苦しみ、小さな喜び、事件を経験しながら日々の生活を力強く生きているということ。

 

 

何でもなさそうな日常であっても、私たちの生活は様々な出来事で彩られており、誰であっても人生というストーリーの主人公を生きているのだと思わせてくれる内容でした。

 

 

 

どんな人であっても自分の生活を精一杯生きている、そんな当たり前の事実を認識させられるとともに、どんな境遇であっても人は力強く生きていけるとあらためて感じた小説。

 

 

すべての人におすすめしたいです。