「The Three Happiness」で幸せになる方法を学ぶ! 精神科医 樺沢紫苑さんが見つけた3つの幸福とは何か
本日は、精神科医の樺沢紫苑さんが書いた「THE THREE HAPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福」のブックレビューです。
結論から先に述べてしまうと、こちらの本は非常に分かりやすく、他の幸福に関する本とは一線を画す内容になっていると感じました。
著者の樺沢紫苑さんは精神科医で脳科学の知識にも精通しており、その点を踏まえて幸福とは何かということを非常に分かりやすく、科学的に説明をされています。
幸福とはどういう状態のことか、どういうことをすれば幸福になれるのか。
知りたい方はぜひご覧ください。
- ・「THE THREE HAPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福」のテーマと内容
- ・精神科医が見つけた3つの幸福とは
- ・幸福には優先順位がある
- ・3つの幸福の科学的根拠
- ・オキシトシン的幸福の手に入れ方
- ・ ドーパミン 的幸福の手に入れ方
・「THE THREE HAPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福」のテーマと内容
こちらの本のテーマは、書籍とタイトルにもなっている通り幸福です。
人の生き方は人それぞれで価値観も色とりどり。
それでも生きていく上で誰もが求めるものが幸福ではないでしょうか。
そして幸福は、古来さまざまな哲学者が考えてきた大きなテーマであり、そうでない市井の方々も追い求めてきた人間の根源的なテーマです。
わたし自身も心理学を学びながら幸福について色々と調べていた時期があり、古典とされている幸福論に関しては3冊とも読みました。
幸福論自体は素晴らしい本であり、今でも読み直す価値のある本だと思っています。
では、この本は他の幸福の本とは何が違うのか。
それは、圧倒的に「実用的」であるということ。
幸福とは何かを議論するのではなく、こうすれば幸せになるということを科学的に説明してくれている実践的な内容となっていて、読めばすぐできるようになっていることです。
読んだ瞬間からぜひ実行してみたいと思うものばかりが書かれており、非常に新しいと思いました。
・精神科医が見つけた3つの幸福とは
では、本書のタイトルにもなっている精神科医が見つけた3つの幸福とは何か。
これは結論から説明すると、3つの脳内物質のこと。
具体的に言うと ドーパミン、セロトニン、オキシトシンのことです。
脳科学に関する本を読んだことがある方は聞いたことがある方も多いと思います。
実際には、わたし達の脳内では100種類以上の幸福物質が分泌されているそうですが、私たちの日常を構成する。主たる幸福物質としては3種類、すなわちドーパミン 、セロトニン、オキシトシンが三大幸福物質となるそうです。
ではそれぞれ、これらはどのようにわたし達の幸福に関わっているのか。
まず1つ目のドーパミン的幸福とは、世間一般に言われるような幸福に分類されるものが多いです。
お金、成功、名誉、財産など多くの人が追い求める、ステレオタイプ的な幸福の指標となるようなものと言っても過言ではないかもしれません。
2つ目のオキシトシン 的幸福とは、つながりと愛です。友情、人間関係、コミュニティへの所属など、社会的な幸福と言ってもいいものだと思います。
3つ目のセロトニン的幸福とは、健康の幸福、すなわち 心と体の健康のことです。
よくある幸福本では、なにかにチャレンジしていることが幸福だとか、幸福とは歩んでいるその過程そのものだと書かれているものが多かったりするのですが、それに比べるととてもわかりやすく、腹落ちする説明ではないでしょうか。
この3つが幸福の構成要素であるということを説明してくれている書籍は私も今まで読んだことがありませんし、幸福を感じている時に分泌されている脳内の神経伝達物質であるという説明も非常に科学的ですし、どうすれば幸福になれるのかということを考えた時にも、とても再現性が高いと感じました。
・幸福には優先順位がある
そして、ここからがさらに重要になってくるポイントです。
3つの幸福には優先順位があります。
どういう順番になるかというと、一番重要なのはセロトニン 的幸福。
2番目に重要なのがオキシトシン的幸福。
3番目に重要なのはドーパミン的幸福です。
なぜこの順番になるのか。
世間一般に言われている ドーパミン 的幸福、 地位や財産などを他の幸福をそっちのけで求めてしまうと、健康を全く意識せず体を壊した状態で富を獲得してしまったり、つながりを意識しないことによって孤独な成功者となってしまい、最終的には幸福であることをほとんど 感じられない状態になってしまう方が多いそうです。
たしかにそれは幸福ではないと第三者から見ても思いますし、樺沢紫苑さんも精神科としてそのような状態でうつやノイローゼになった患者さんをたくさん見てきているそうです。
また私自身も健康を害してまで仕事を頑張ったり、人間関係を重視せずにプロジェクトを推し進めるなど無茶なことをしたことがありましたが、最終的には心にも体に大きなしっぺ返しを食らって、 メンタルに相当ダメージを受けました。
幸い、病気にはならなかったのは不幸中の幸いです。
本書の中では図解として説明がされているのですが、セロトニン的幸福が全ての土台として全体の幸福を支え、その次の土台として オキシトシン的幸福、最後にドーパミン 的幸福が2つの土台の上に積み重なり、幸福のピラミッドが構成されるという説明がされています。
樺沢紫苑さんの経験談からも、わたし自身の実体験からもとても説得力のある主張であり、以上に納得力のある説明です。
・3つの幸福の科学的根拠
ではこの3つの幸福というのは エビデンスのあるものなのか。
著者は科学的根拠があると説明されており、その内容が本書では招述されています。
まず、なぜセロトニン的幸福を土台とすべきなのか。
それは、セロトニンが脳内物質の中でも 当店指揮者のような役割を果たすものとなっており、他の脳内物質を適切にコントロールできるからです。
セロトニンが不足していて他の脳内物質をコントロールできないとどうなるか。
例えばドーパミンをコントロールができないということは、暴走して依存症になる可能性が高くなるそうで、実際にうつ病やアルコール依存症になる方はセロトニンが不足していることが多いそうで、 セロトニンの重要性がとてもよくわかります。
続いてのオキシトシンは、分泌されることで血圧や心拍数が下がり、ストレス解消の効果があったり、副交感神経を優位にして不安を減少させる効果があることが知られています。
またセロトニンと同様に、オキシトシンはドーパミンの暴走を抑制する効果もあります。
なぜドーパミンが過剰に分泌されると危険なのか。
これは様々な 依存症に関する書籍でも近年よく説明されていますが、スマホやアルコール、ドラッグなど、ドーパミンを分泌させるものは、もっともっと原因となるものを追い求めてしまい、抑制が効かなくなる傾向があるからです。
最初はビール1杯だったのが、気がついたら毎日3本も4本も飲んでいたり、焼酎を1本平気で開けたりするようになったり、少量で満足できていたものもどんどん量が増えるのはこのドーパミンの過剰な分泌が原因となっています。
また、本書の内容ではありませんが、このようにドーパミンが過剰に分泌されてしまうと、 揺り戻しとして何も感じられなくなってしまったり、反対に ドーパミンの対象となってるものがないと無気力やうつ状態になるようなこともあるそうです。
より詳しく知りたい方はこちらの書籍がおすすめです。
お金や地位や名誉なども際限のないものであり、このようなドーパミンに偏った幸福を求めてしまうと結局不幸になることになってしまいます。
そのような状態を抑え込むためにも、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福を土台として作るべきであると説明されています。
・セロトニン的幸福の手に入れ方
セロトニン的幸福はどのようにすれば手に入るのか。
本書では様々な方法が説明されていますが、最もシンプルで 基本的なことは睡眠、運動、朝の散歩であると説明されています。
睡眠は可能であれば1日7時間以上、最低6時間以上が必須。
運動は、1日20分の早歩き、さらに筋力トレーニングや、週に3回の中強度の運動を加えるとより良いそうです。
最後に朝散歩ですが、起床後1時間以内に15分から30分程度の散歩を行うことで、朝日を浴びながらリズム運動することが セロトニンの 分泌を促す ということでした。
以前読んだうつ病に関する本でも、朝の散歩は非常に効果的であると説明されており、やはり脳内物質の分泌には日光やリズム運動が重要であることが 改めてよく分かりました。
・オキシトシン的幸福の手に入れ方
オキシトシン的幸福はどのようにすれば手に入るのか。
こちらも様々説明されていますが、簡潔に説明すると人間同士のポジティブなコミュニケーションによって オキシトシンが分泌されるそうです。
具体的にはパートナーとの交流や、友達とのコミュニケーション、ペットと遊ぶことなども含まれるそうです。
また重要なこととして、なるべくリタイアしないで社会とのつながりを維持するということも説明されています。
仕事を引退して定年を迎えるようになると、社会との交流が非常に少なくなり、そのことによって認知症を発症したり、脳の機能が衰えるようになるということは広く知られています。
そのことによって孤独感に陥ったり、結果としてオキシトシンが分泌されなくなることによって、幸福を感じられなくなるということもあるようなので、可能な限りはストレスなくできる限り仕事は継続した方が良いようです。
・ ドーパミン 的幸福の手に入れ方
ドーパミンをコントロールする、制限するということが重要 とも書きましたが、使い方によってはもっと頑張ろうと思ったり、もっと上を目指して人の役に立とうなど、ポジティブな意味でドーパミンを分泌させることもできます。
ただし負の側面もあり、先ほど述べたようにもっともっとと、際限なく求め依存症になってしまうこともあるため、取り扱いの難しい脳内物質となっています。
本書ではドーパミン的幸福を手に入れる方法が書かれてますが、とりわけ 印象的だったのがコンフォートゾーンを出るということです。
このフォートゾーンを出るとはどういうことか。
これは、今いる心地いいところから少しだけチャレンジしてみるということを意味しています。
例えば、毎回同じ美味しい料理を作っていたら、チャレンジして少しだけ難しい料理を作ってみる。
いつも同じ 外出先で楽しんでいたら、楽しめるかわからないけれども新しいところに行って開拓してみるなど 。
このように少しずつチャレンジすることで、自分の成長につながり、少しだけ難しい課題をクリアすることでドーパミン 的幸福が感じられるそうです。
これは勉強やスポーツなどでも同じではないでしょうか。
いきなり難しい問題に直面するとやる気がなくなってしまいますが、少しだけ難しい タスクや課題に挑戦することで達成感を感じられ、もっとうまくなりたいもっと頑張りたいと思えるようになります。
ネガティブな側面だけでなくポジティブな側面もあるので、ドーパミンともうまく付き合いながら幸福感を感じることが重要です。
・まとめ
いかがでしたでしょうか。
本日は樺沢紫苑さんの、「THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福」の ブックレビューをお届けしました。
私は常に日頃から様々な本を読んでいるので、幸福に関しての本もそれなりに読んできたのですが、ここ最近で読んだ中では一番分かりやすく、実践しやすいと感じた良書でした。
樺沢紫苑さんはYouTubeも配信しているそうで、今までは見たことがなかったのですが、この書籍を読んだことをきっかけに見てみたらとても有益な情報がたくさん発信されていました。
精神科医ということで、脳科学にも精通しており、そのような関連から悩みを解決する方法や、不安を解消する方法など非常に分かりやすくしかも短い時間で説明をしてくれています。
他の書籍もベストセラーが多いようなので今後チャレンジしつつ、YouTubeで勉強もさせていただきたいと思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。