ミニマリスト ひかるの本棚

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【TIME SMART お金と時間の科学】の要約。時間貧乏にならないための方法

 先日読んだTIME SMARTお金と時間の科学の要約について書いています。

 

 

 

 

 

 本書は一言でいえば、時間貧乏から抜け出して時間リッチな生き方をして幸福感を高めましょうということ。タイムプア(時間的貧乏)とタイムリッチ(時間的裕福)という考え方は、人生を豊かに生きる上ではかかせないことが本書を読むとよく理解できます。

 

こんな方におすすめです。

・時間的に余裕がないと感じている方

・忙しくて自分の時間、家族との時間が取れない方

・お金に困っていないけどいまいち幸福感が感じられない方



 

 

 

タイムプア(時間的貧乏)とはなにか

 タイムプア、時間的な貧乏とは、時間よりもお金を大切にしてしまったり、時間的に余裕がないことで孤独感やストレスを感じてしまうことと本書では解説されています。例えばよくある話として、「定年後に思いっきり旅行をする」とか「今年は仕事が忙しいから来年こそやりたいことにチャレンジする」など、私たちはお金を稼ぐことを最優先にしてしまいがち。その結果なにが起きるかといえば、お金を稼ぐことを大事にしすぎて時間を使い果たしてしまったり無駄にしてしまうということです。

 

 

 

 先の例でいえば、定年後に家族でゆっくり・・・などと考えていたとしてもその時間が本当に来るのかどうかは誰にもわかりません。本書の中でも先延ばしした挙げ句に病気になってしまい、犠牲にしていた時間を結局楽しむことができなかった例が紹介されています。

 

 

 そして、本書ではタイム・プア、時間的に貧困層である人は80%以上だとか。やらなければならないことが多すぎて、時間が足りていないと感じている人はどこの国でも大半を占めているそうです。



 

なぜタイムプアになるのか

 なぜタイム・プアになってしまうのか。こんなことにならないために、もっと時間を優先させればいいのではないかと思いますが、簡単にできることではないことが本書では書かれています。タイムトラップと言われており、人間が持っているバイアスであり、タイム・プアを抜け出すためにはこのタイム・トラップを理解しなければなりません。

 

 

 本書で紹介されているタイム・トラップは以下の6つです。

1 テクノロジー タイム・コンフェッティと楽しめない余暇

2 お金重視 富のパラドックスとお金追求の落とし穴

3 時間の過小評価 「最小コスト」文化と時間の価値の誤解

4 ステータスとしての多忙 金銭的不確かさとワーキズム

5 手持無沙汰嫌悪 マインドフルネスと何もしないことの価値

6 約束と楽観 「イエス・・・しまった!」の誤算

 

 

 1は自律性のパラドックスとして紹介されており、要はテクノロジーで便利になり生産性が上がった反面、そのテクノロジーに時間を奪われているということ。余暇の時間にもさまざまな通知がスマホやパソコンに届き、休みの日にもメールが届くなどは多くの人が経験しているのではないでしょうか。この時間は小間切れですが、塵も積もれば山となるため、タイム・コンフェッティ(時間の紙吹雪)と呼ばれているそうです。

 

 

 

 2は時間よりもお金を重視する私たちの文化的価値のことであり、どの資産クラスの人間であっても「裕福に暮らすためにはもっとお金が必要」と考えてしまうそうです。ほとんどの今もっと稼いでおけば後でもっと余暇を楽しめると考えるのですが、これは終わりのない追求となり時間が犠牲となるのです。

 

 

 

 3は最小のコストを追い求めるあまり、時間を犠牲にしてしまうこと。例えば、最安値のものをネットで探すために何時間も探したり、10円安いものを求めて1時間かけて別のスーパーに行くなど。これは時間の価値を過小評価した行動で、その分の機会損失を考えるべきだとされています。

 

 

 

 4は多忙であることがステータス、つまり私たちのアイデンティティと深く結びついているがゆえにタイム・プアになるということ。何の仕事をしているかは私たちの存在を示すものとして認知されており、そこにこだわりすぎるゆえに多忙を極めて、時間を犠牲にしてしまうのです。

 

 

 

 5は手持ち無沙汰嫌悪、これは読んで字のごとく何もしないことに対する嫌悪感を示しています。4の労働が私達のステータスと結びついてるのと同様に、何もしないことは私たちの存在を脅かすように感じられることです。

 

 

 

 6はプランニングの誤謬として紹介されていますまるこれはどういうことかと言うと、簡潔に言うと安請け合いのことです。私たちは未来はある程度時間が余裕があると楽観視してしまい、忙しくても簡単に約束を引き受けたりしてしまいます。その結果時間がなくなり、タイムプアに用いるということです。



 

タイム・リッチになるために

 このタイムプアから抜け出すにはどうすればいいのか。本書では第2章タイムリッチになるためのプラン、第3章タイムリッチになるための習慣の章が設けられており、そのための方策が書かれています。 項目が多いのでこの中でも特に気になった点について書いてみたいと思います。

 

 

・ 自分の時間を記録する

 まずは基本的なこととして、自分が何にどれぐらい時間を使ったのかを記録します。 また、その際にその時間は生産的だったか楽しいものだったか有意義だったかを後で振り返った時に考えて記録します。



・ 時間を見つける

 時間を見つけるというのは、時間をコントロールするということです。例えば自分がやりたくないことが多くある場合に関しては、その時間を削減し、なるべく良い時間に変えるという工夫が必要になります。 また自分が好ましいと思う活動できる少しの時間でもかき集めていくと膨大な時間になりますので、そのような活動に打ち込める時間を見付ける工夫をします。



・時間に投資する

  時間に投資するというのは言い換えるとお金で時間を変えるということになります。 本書で紹介されているのは、家事などを外注し自分の時間を作るということや、音楽のサブスクリプションなどを申し込んで、広告の時間を削減するなどということが紹介されています。 ロボット家電で自分の時間を確保するというのも投資なります。

 

 

・時間の捉え方を変える 

 例えば自分がタイムプアだと感じており、この時間は絶対削りたいと思うものがあるとします。そのまま削るのも一つの手ですが、この時間を有意義なものに変えると時間リッチになることもできます。例えば通勤がものすごく苦痛な時間だったとして、読書が好きなのであれば通勤時間にオーディオブックを聞くなどを行動を控えることで、苦痛だった時間を有意義な時間に変えることができます。これもタイムリッチになるための非常に有効な戦略です。



 

・なぜかを問う

  時間を浪費してしまっている行動があるとして、なぜその行動するのかということをメモやノートに書いてみることで分析する方法もお勧めされています。 全然やりたくないゲームや SNS に長く時間を取られてしまうということがあると思いますが、までその行動してしまうのかということを自分で分析をして、特に必要がないということが分かれば例えばアプリを消す、アプリを使う時間を制限するなど時間の使い方を変えることができます。

 

 

まとめ

TIME SMART お金と時間の科学の要約として、タイムプアとは何か、なぜタイムプアになるのか、タイム・リッチになるためについて書きました。

 

 本書ではタイム・リッチになるための習慣としてその他の行動について紹介されていたり、タイム・プアが社会に与える大きな損失についてなど他にもさまざまな時間的に裕福に生きるための提言がされています。



 わたしの中では、 最近読んだ本の中では一番感銘を受けた本と言っても過言ではない内容でした。なぜそう思うかと言うと、やはり私たちの社会文化はお金を稼ぐことについてとても価値観が偏ってるように思いますが、何より私たちの人生で一番大事なのは時間であるということを言ってくれる人はほとんどいないからです。

 

 

 

 確かにお金は大事なのは周知のとおり、私自身もブログで投資の話やお金に関する本などの紹介もしています。 ただ稼いだお金というのは、最終的にどのように使って私たちの人生を豊かにするかという出口戦略まで考えなければならないものであり、当然そこにはお金だけでなく私たちの時間も必要になります。 本書で言われてる通り、私達の時間という資源はとても軽く見られており、 それよりもお金を追い求めるということが重視されています。 この点はとても反省させられました。

 

 

 

 いかに人生を有意義に過ごすか。 そのためには時間をどのように使うかということ、どのような時間が自分にとって価値のあることなのか。 この点は改めて振り返るためのとても良いきっかけになりました。時間をもっと有意義に使いたいと思っている方はぜひ一読することをおすすめいたします。

 

 

 

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