ミニマリスト ひかるの本棚

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【毒になる親】を要約。毒親とはなにか。毒親を生み出す原因とそうならないために。

 

 

 

 毒親という言葉を聞いてどのように感じられるでしょうか。私自身はこの言葉についてぜんぜん馴染みがなかったのですが、先日kindle unlimitedで以下の本が出ていて「すごいタイトルだな」と思い興味本位でダウンロードして読んでみたのですが、とてもおもしろかったのと、もしかしたらじぶんの親も少し毒親の傾向があったのではないかと思いました。

 

 

 

 

 

毒親とはなにか

 毒になる親とは簡単に言うと「心の不健康な親」のこと。本書ではこれをギリシャ神話にたとえて説明をしています。ギリシャ神話の神は人間のあらゆる活動に対して裁定を下し、しかもそれは気まぐれで非合理的であったそうです。いきなり怒って永遠の苦役を押し付けられたり、人間をやまびこに変えたり、人間の心に恐れを植え付けていた存在であり、毒になる親はその点でとても似ているとのこと。特に小さな子どもにとって親は全能で、親はすべてにおいて正しく自分のすべてと感じられる存在です。

 

 

 

 ですが、その親がアルコール依存症であったり、情緒不安定、ネグレクト、うつ病、嫉妬深い、暴力的などの精神的な問題を抱えているとどうなるでしょうか。子どもは健康的に精神を発達させることができずに歪んだ性格や、親と同じ精神的な問題を抱えたり、社会性に欠ける行動を本人が無自覚に繰り返したりするようになるそうです。

 

 

 本書では冒頭でワークが用意されており、質問に答えると自分の親が毒親の可能性があるかどうか、もしくは本書が役に立つかが書かれています。私の場合も複数の項目が当てはまりました。

 

 

 

毒親になる原因

 例えばアルコール依存症の親に育てられた子どもの場合、その毒親に育てられた子どもは親を嫌悪することが多いそうですが、それでもじぶんがそのままアルコール依存症になってしまったり、アルコール依存症のパートナーを選んでしまうことが多いそうです。これはなぜかというと、「衝動脅迫的な反復」という無意識のちからが働くからだそうです。意識では二度とアルコールを飲まない、そのような人と関わらないと思っても、無意識は以前経験した苦しみを繰り返すそうです。

 

 

 

 なぜ毒親は毒親になるのか。それは、その親にもそのような親がいるということ。愛情に満ちた子どもが毒親になるということはなく、毒親にはどこから始まったのかはわからない負の連鎖が続いており、しかもそれは無意識で繰り返されることなので意識的にどこかで誰かが止めない限りは繰り返されてしまうそうです。自覚がなく無意識に繰り返されるということがおそろしいですね。

 

 

 

毒親にならないために

 じぶんが毒親にならないためにはどうすればよいのか。まず毒になる親の考え方を知る必要があるとのこと。毒親は自己中心的で、独善的な考え方を持っている人間が多いそうで、例えば「自分は悪くない」「問題はすべて他人にある」と思っていたり「子どもには優しく接して人間性を育てる」といった親としての基本的な考え方が欠けていたりすることが多いそうです。

 

 

 

 そのような毒親に対してどう対処すべきか。多くの心理学の書籍では「許し」を推奨するそうですが、本書では親を許す必要はないし、また許せるものではないとしています。許したと一時的に思ったとして、それほど事は簡単ではなく、そう思っても心の中では許せないと思い続けてしまうことで「自分は駄目な人間なのだ」と思いうちひしがれてしまうとのこと。

 

 

 

 本書の後半には毒親の輪廻を断ち切るために「毒親との対決する方法とそれはなぜ必要か」ということ、「毒になる親にならないために」という章が設けられており、そこでは子どもに対して心を開いて接することや、子どもに謝れる親になるということということが必要なこととして書かれています。

 

 

 

 

まとめ

 冒頭にも少しだけ書きましたが、自分の親にも少しだけ毒親の傾向があったのではないかと思い心が苦しくなる部分がありました。また、本書を通して説明されるさまざまなエピソードで出てくる人たちに思い当たるような方もいて、もしかしたら過去に親の影響を受けてそのような行動になっているのではないかと思いました。

 

 

 

 親が子どもに与える影響力は本当に大きいのだなということには驚かされます。お子さんがいる方いない方、どちらでもとても興味深く読める本だと思います。

 

 

 

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