ミニマリスト ひかるの本棚

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【ぼくはやっと認知症のことがわかった】認知症スケール開発者が認知症になっての体験記

 

 

 

以前記事にしたことがあるのですが、私の祖父が認知症で老人ホームに入っていたことがあります。

 

 

その時は何と不可解な行動するのかととても疑問に思ったことを覚えています。そして、すぐ前にやっていたこと、言ったことも忘れてしまう記憶力の欠如に驚愕し悲しくなりました。 記憶とともに普通の人が持っている能力もかなり失われてしまう病気なのだとその時は理解したのですが、それは認知症のほんの一部であり、病気になってない人から見た世界でしかないということがよくわかりました。

 

 

 

 

長谷川先生のボクはやっと認知症のことがわかったを読了しました。

 

 

 

長谷川先生は長谷川式スケール認知症診断スケールを開発した方で、その界隈ではとても有名な方です。開発者である長谷川先生自身が認知症になって体験した認知症の症状、感じ方、介護に関連するサービスを使った感想や家族の接し方など様々な事を記録した書籍。 認知症の方に接した事のない方はわからないかもしれませんが、彼らに何が起こっていてどう感じているかを理解するのはとても難しいことです。その点を長谷川先生は丁寧にまとめてくださって認知症の症状やどう感じるのかがわかりました。

 

 

 

 

気になった点として、

・認知症にはムラがあり、長谷川さんは午前が調子良くて午後になると疲れて記憶が混同したり感情のコントロールが難しくなるそう。 

・認知症の人を騙したり、ごまかしては行けない。感情は残っているし、認知症になってもそういうことを感じ取る能力は衰えないもの。

・耳の能力は最後まで残っていて寝たきりでも聞こえている。

 

 

 

 病気のことを扱った本ですが決して難しい本ではなく、長谷川先生の優しいお人柄が表れているとても読みやすい本です。以前よりも介護が身近になっている世の中、当事者やそのご家族の方でなくとも読んでおくと勉強になる本だと思いました。