ミニマリスト ひかるの本棚

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【第四次産業革命】テクノロジーが変える未来

 ぼくがiphoneを初めて手に入れたのは7〜8年前。最初に使った時の感想を今でも忘れておらず、今も当時と同じ印象を持ち続けています。

 

 

 それは、「これより便利なものは存在しないのではないか」ということ。

 

 

 本も読める、音楽も聴ける、ニュースも見れる、動画も視聴できるなど、たいていの娯楽や必要なことはスマホがあればすべて済んでしまいます。

 

 しかし、2025年頃にはさらに便利な未来が待っているかもしれません。

 

 

 

 

 

 

第四次産業革命

 

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

 

 

 世界経済フォーラム、通称ダボス会議の創設者であるクラウス・シュワブさんの「第四次産業革命」の書評です。未来予測の本は数多く出ていますが、こちらは特にテクノロジーが我々の生活や産業にどのような影響を及ぼすかについて書かれています。 

 

 

 

 最初に未来予測の本を読んだのはおそらく8年ほど前、リンダ・グラットンさんの「ワークシフト」でした。

 

 ワークシフトでもテクノロジーが未来の生活に及ぼすプラスとマイナスの影響について書かれていましたが、本書ではそれよりも具体的にどのような技術が台頭してくるのかについて言及されています。

 

 

 率直な感想は二つあり、「未来の技術がぼくたちの未来をどう変えるのか楽しみ」という期待、「ちゃんと生計を立てていけるだろうか」という不安でした。社会に大きなインパクトを与えるような技術革新がもたらすのは良い面もあれば、ぼくらの仕事が無くなってしまう可能性や安全を脅かす危険性が増大したりする面も持ち合わせているということです。

 

 

 過去3回の産業革命においても市民が受けた影響は絶大なものでしたので、当然第四次産業革命が起きる時代を生きるぼくらが大きな変化を経験するのは必須。どのような変化があるのかを事前に知り、未来の行動につなげていきたいと思った一冊です。気になったところを引用してみます。

 

 

 

いまのところの兆候として、第四次産業革命では過去の産業革命時よりも新産業で生み出される仕事が少なく終わりそうだ。「テクノロジーと雇用に関するオックスフォード・マーティン・プログラム」の推計によれば、米国の労働人口のわずか0.5%が今世紀の変わり目には存在しなかった職業に就いている。一九八〇年代に労働人口の約八%が新産業で生まれた職業に就いており、一九九〇年代には同約四・五%だったので、二十一世紀初頭のこの数字は少ない。これを裏付けているのが、技術と失業の深い関係性を浮き彫りにした直近の米国経済国勢調査だ。この調査によると、情報技術の革新とその他の破壊的技術は、製造にさらなる労働力を必要とする新たな製品を生み出すのではなく既存労働者を代替して生産性を向上させる傾向にあるという。

 

 

コンピュータサイエンス、数学、エンジニアリング職はいまも男性中心の傾向にあり、専門的技術スキルに対する需要の増加はジェンダー不平等を悪化させる可能性がある。だが、機械では対応不能な役割や、感情移入や思いやりといった人間らしさや能力に依存した役割に対する需要は増加する可能性がある。そうした職業として、心理学者、セラピスト、コーチ、イベントプランナー、看護師、その他医療従事者などがあり、それらの多くで女性が活躍している。

 

 

 

 

常にネット接続されているという事実は、私たちの最も重要な資産を奪い取る可能性がある。それは一息ついて内省し、本質的議論に没入する時間だ。しかも技術の支援やソーシャルメディアを介在させずにである。

 

 

 

 

ネットとはそもそも割り込みシステムであり、使う人の注意力を分割させることで力を発揮する機械なのだ。頻繁な割り込みは思考を分散させ、記憶を弱体化させえ、使用者に緊張と不安をもたらす。考えようとしている一連の思考が複雑なものであればあるほど、散漫がもたらす機能障害は大きくなる。

 

 

 

 

「加速の時代では、ゆっくり進むほど爽快なことはない」と旅行エッセイストのピコ・アイヤーは述べている。
「注意散漫の時代では、注意を払うことほど贅沢なことはない。そして動きつづける時代では、じっと座っていることほど重要なことはない」

 

 

 

 また、本書の中に2025年までに起こる可能性が高いとされるディープシフトの一覧が掲載されており、そちらが最も興味深い内容でした。

 

・米国でロボット薬剤師が登場する 86.5%

・10%の人々がインターネットに接続された服を着ている 91.2%

・米国の道路上の全車輌の10%が自動運転車 78.2%

・3Dプリンタ製の肝臓の初移植 76.2%

 

など、進展しつつある技術がどれぐらいの確率で社会に出現しそうか予測しています。不安も当然ありますが、利便性も当然向上していくはず。働き方に不安がある方や転職を考えている方は一度読んでおくと、今後の進路を考えるうえで参考になるかもしれません。

 

 

 

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