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【社会福祉の歴史】先進国の社会福祉政策を学べる一冊

 母子家庭、貧困、生活保護、介護、医療、保育など、社会保障や社会福祉についてのトピックがメディアで語られない日はありません。どれも非常に身近な内容で私たちの生活そのものに深く関わっているからであり、将来にも大きく影響してくる内容だからだと思います。しかし、意外とそのルーツについて学ぶ機会は少ないのではないのでしょうか。

 

 

 

 

 

社会福祉の歴史

  

社会福祉の歴史―政策と運動の展開 (有斐閣選書)

社会福祉の歴史―政策と運動の展開 (有斐閣選書)

  • 発売日: 2001/12/01
  • メディア: 単行本
 

 

 来年大学院の受験を検討しており、その中で学んでおくべき参考図書となっていたため手に取りました。仕事が介護士ということもあり、日々の新聞で福祉や介護など内容には目を光らせているつもりですが、その歴史自体についてくわしく学んだことはありませんでした。

 

 

 本書はイギリス、アメリカ、日本の社会福祉がどのように誕生し、どのような変遷を経てきているのかを詳述、また各段階でどのような問題が噴出したのか。そして、その時代の経済、社会と照らし合わせてどのように課題に取り組み、それを解決するための方策として社会保障はどのような形で変化していったのかが説明されています。

 

 

 入門書や読みやすさを売りにした内容ではないため、なかなか読むのに骨が折れる本ですが、近代史と社会福祉の歴史を包括的に理解するにはとても優れた本だと思いました。また、我々の生活がいかに経済、国際社会と密接に関わっていて、否が応でもその影響下の中で現代人は生きていかなければならず、一市民としても幅広い知識を勉強しておくべきなのだなと思わされました。

 

 本書の中で特に印象的だったのは以下の二箇所。

 

 

 

戦後四十余年に及ぶ冷戦構造下の資本主義諸国においてみられた福祉国家政策の発展は、資本主義体制の内部において社会主義の理念を実現しようとする試みであったといってよい。すなわち、福祉国家体制の構築は、社会主義理念の実現が社会主義体制によらずとも、さらにいえば社会主義体制におけるよりも十全なかたちで可能であることを、社会主義体制をとる国々にたいして、また資本主義諸国の社会主義的諸勢力にたいして証明説得し、資本主義と民主主義の経済システム・政治システムとしての優越性を強調しようとしたものであったといってよい。

 

 

 

 

 

福祉国家とは何か。これを明確に規程することには困難がつきまとうが、一般的、最大公約数的にいえば、それは、経済的には資本主義のケインズ主義的な繁栄、政治的には大衆民主主義の進展を基盤とし、完全雇用政策、公教育制度、住宅保障、医療保険保障、福祉サービス保障を構成要素とする生活支援システムを構築することを国政の期間的政策として位置づけ、広く国民にたいして生活権を中心とする市民的社会的諸権利を保障し、社会的な平等と公正の実現を図ろうとする国家の体制としてこれを理解することが可能であろう。

 

 

 資本主義経済の競争の中で弾き出される者や潜在的な弱者が、その中でも不自由なく生きていけること。福祉サービスに関わる1人として、そのルーツを学ぶ大変良い機会となる一冊でした。

 

 

 また、同様の書籍としてこちらも非常にわかりやすかったです。

 

教養としての社会保障

教養としての社会保障

 

 

 こちらも後日記事にしてみたいと思います。

 

 

 

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