「新しい道徳」とライフスタイル
道徳的な現象などというものは存在しない。
あるのは現象の道徳的解釈だけだ。
善悪の彼岸という本からの引用です。
- 作者: フリードリヒニーチェ,Friedrich Nietzsche,中山元
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/04/09
- メディア: 文庫
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この言葉に出会ってから、完全無欠な道徳というものは存在しない。
そう思っています。
本の見つけ方
僕はメールマガジンを活用しています。
特にビジネス書を中心に探すならオススメなのはこちら。
日本最大のオンライン書店、Amazonの立ち上げに参画され、カリスマバイヤーと呼ばれている土井英司さんが毎日気になった本(主にビジネス書)を紹介してくれるメールマガジンです。
読者登録5万5,000人以上(!)の支持を集めており、すべての本を手放しにオススメするわけではなく短所があればそれもしっかり記載しますし、素晴らしい本には最大の賛辞で紹介してくれます。
ビジネスブックマラソンではビジネス書以外も稀に紹介されているのですが、先日こちらの本の紹介がありました。
紹介文を読んで興味が湧いた事と、先日、ビートたけしのTVタックルという番組でミニマリストについても言及されていたということもあり、改めてたけしさんがどういう方なのか知りたくなり購入。
※ミニマリスト特集、面白かったです!
気になったところを引用してみたいと思います。
多様性と道徳
もともとこの世にはさまざまな価値観の人間がいて、好き勝手にやらせたら世の中がうまくまとまらないから、人間は法律を作ったわけだ。
その法律を押し付けているんだから、それで十分だ。人の頭の中にまで手を突っ込むようなことをしてはいけない。
道徳なんてものは、権力者の都合でいくらでも変わる。少なくとも、いつの時代も、どんな人間にとっても通用する、絶対的な道徳はないっていうことは間違いない。それだけは頭に入れておいた方がいい。
友だちが一人もいなくたって、幸せに生きてる奴はたくさんいる。(中略)道徳の本を読んでいると、友だちがいないと幸福にはなれないような気分になる。友だちを作れない人間は、まるで問題があるかのようだ。
この本の最も重要なメッセージは冒頭の引用と同じく、「これが真の道徳です」というようなご託宣、紋切り型の答えは存在しないということだと思います。
人それぞれ価値観も考え方も違う社会の中で、やってはいけないことは法律で規制されているのだから、考え方まで口を出すべきではないと書かれており非常に共感しました。
TVタックルの冒頭で「ミニマリストが増えている」と紹介されていましたが、少ないモノで暮らしたいと考える方は少なくとも僕の知り合いには一人もいません。
そして友達がいない=寂しい人と思う方はたくさんいます。
koizumihikaru1234.hatenablog.com
↑以外と共感してくれる方が多くて驚きました。
常識やステレオタイプに従わない事を「悪」のように捉えてご丁寧に指摘してくれる方が結構いらっしゃいますが、そういう風に捉えない人間がいる事も頭の片隅にでも置いて頂けると本当に嬉しいなと思うことが多々あります。
ダイバーシティ=多様性を大事にしましょうという動きが急に広まったのは2〜3年前ぐらいでしょうか。
会社で研修も受けさせられ、とっても良い動き!と感じましたが最近はめっきり耳にしなくなってしまいました。「みんな違って良い」ということがもっと当たり前になったらなーと思います。
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道徳は自分で作るもの
今の大人たちの性根が据わっていないのは、道徳を人まかせにしているからだ。それは、自分の人生を人まかせにするってことだと思う。
権力者は自分の都合で道徳を作る。都合が変われば、道徳もコロコロ変わる。コロコロ変わるのが道徳の宿命なのだから。学校で教わった道徳を、絶対だと信じるからおかしなことになる。
どんな高いワインより、喉が渇いたときの一杯の冷たい水の方が旨い。お袋が握ってくれたオニギリより旨いものはない。贅沢と幸福は別物だ。慎ましく生きても、人生の大切な喜びはすべて味わえる。人生はそういう風にできている。そんなことは、誰でも知っている。
道徳、生き方を人まかせにしてきた僕には耳の痛い箇所でした。
高学歴で大企業に入り、マンションを買って、高級車も買って、お金はたくさんあると幸せで…
最近実家に戻ってきて数年ぶりにテレビを見ていますが、こういう価値観が今でも主流なんだなーというのがとっても目に入ります。
以前はブランドモノやたくさんのお金がいちばん価値を持つものとして、人生において追い求めるものとして位置づけてましたが、(僕にとって)目の錯覚でした。
それが一番幸せ!と手放しで思える方はもちろん良いと思いますが、なんとなく違和感があるなら自分には合わないのかも。
僕にとっては、それはモノの所有に対する考え方で、ミニマリストを知ってモノは少なく、大多数とは真逆のことをしたらとても楽になり、自分に嘘をついてない生活を送れていると感じられてます。
おっしゃる通り、贅沢と幸福は違うものでした。
「おわりに」という章に、
エジプトのピラミッドだか神殿だかに、象形文字で「今の若い者はなってない」という落書きがある
と書いてあり、主流でない価値観は遥か昔から炎上していて、そういう意味では今も昔も同じような事の繰り返しなんだろうなと思います。
怒られる覚悟で出版されたと書いてるだけあってとても興味深く、面白く読めました。
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