ミニマリスト ひかるの本棚

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【定年前】の要約。すること、しないことを確認。

 大江英樹さんの定年前の要約になります。

 

 

 

 

①定年後の暮らしにかかるお金を確認

 ネット上のニュースやマネー系の雑誌を見ていると、「老後の資金は2000万円では足りない」「老後は一億円が必要」などさまざまな刺激的なタイトルの記事が多く見られますが、本書ではばっさりと「NO」と言われています。それはなぜかというと、1億円という大金は支出総額の話であって、自分ですべて準備しなければならないお金のことではないからです。

 

 まず一億円の根拠は本書で示されている調査の中で、月額34.9万円の生活費があげられており、それが25年間かかるとすれば、419万円×25年間=1億475万円かかるとされています。しかし、この調査自体の対象が18〜69歳までの男女4,000人にされており実態ではなく推計値に基づいており、著者の感覚としてはそんなにかからないと書かれています。

 

 ではいくらかかるのか? 身も蓋もない言い方ですが生活費は人によって異なります。いたずらにメディアの記事内容を鵜呑みにして不安になるのではなく、しっかり自分の生活費がどれぐらいかかっているのかを把握することが大切です。

 

 

②収支予測をしてお金の不安を解消する

 お金の不安は多くの人が抱えることだと思いますが、その最大の理由は「いくら必要なのか」がわからないこと。本書では3つの「わからない」から不安が生まれると書かれており、老後に

1 どれぐらいお金がかかるかわからない

2 どれぐらいお金が入ってくるのかわからない

3 どれぐらいお金を用意すればいいのかわからない

 

の3つのわからないことがあることで不安に陥るそうです。これを解消するために収支予測を行うことで、どれぐらい用意すればいいのか、足りないのはいくらかが明確になるので不安がかなり解消されるとのこと。

 

では収支予測はどうやるのか?老後の収入は主に三種類で、

 

1 公的年金(ねんきん定期便で確認)

2 退職金・企業年金(勤めている間に事前に確認しておく)

3 労働収入

 

支出は以下の4種類です。

1 日常生活費

2 自己実現費(趣味や娯楽など)

3 一時出費(リフォームや車、家具の買い替えなど)

4 医療・介護費(本書では平均的な数値として医療費250万円+介護費550万円を挙げています)

 

 毎月の収支として、年金収入をもらいつつ支出から赤字になる部分については労働収入で補うことを推奨されていますが、現役世代並みに稼ぐ必要はなく8万円ほどを夫婦で稼げれば旅行や外食に行く余裕もできると書いてあり心強いです。

 

 

 医療費・介護費はどうしても予測ができないのでぶれる可能性が高いですが、夫婦であれば医療介護費800万円×2人分とプラスアルファを一旦用意しておき、労働収入と年金で毎月のキャッシュ・フローがマイナスにならないようにすれば赤字になることも防げるのではないかと思いました。

 

 

 そして、著者の退職時の預金額が150万円だったが徹底的な収支予測を行い不安を解消したという記述があり驚かされました。老後2000万円問題も一時期取り上げられましたが、貯金を取り崩していくというのはやはり精神的にも不安が大きくなると思うので、毎月の収支が黒字で推移できるための安心材料として役立つと感じました。

 

 

③老後の暮らし方

 本書の前半ではお金のことについてがメインとなっていますが、後半部分では定年後の人脈や趣味について多くの紙幅を割いています。これはなぜかといえば、サラリーマンはヨコのコミュニケーションが苦手、つまり会社以外のところで利害関係のないコミュニケーションを取ることが特に男性は苦手な人が多いので、退職をすると一気に孤独になってしまうそうです。

 

 

 そのためにも、社内以外の人間と付き合うようにする機会を持ったり、あまり取り組んでいなかった趣味を持つ、育児に参加する、仕事をするなどさまざまなヨコの繋がりを持つための方法について書かれています。お金のことも大事ではありますが、人と人のつながりが途切れる方が老後は大変なのだということがわかります。

 

 

まとめ

 定年前の要約として、定年後の暮らしにかかるお金の確認、収支予測をしてお金の不安を解消する、老後の暮らし方について書きました。私自身はまだ30代半ばで老後はまだまだですが、会社員なので他人事ではないなと思うところが多々ありました。

 

 

 特にヨコのつながりについては思うところがあります。本書で述べられているように、会社に入って仕事ばかりしているとたしかに社外以外の人と交流する機会は皆無であり、昔の友人と連絡を取るということも滅多にありません。

 

 

 お金を備えるとともに、人間関係は早くから繋がりを大事にしていこうと思います。

 

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