ミニマリスト ひかるの本棚

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【安いニッポン】を要約。外国人観光客が日本に来る理由

 

 

 

 少し前に日経で連載されていたものをまとめて編集されたテーマの本書。新聞連載中もおもしろいと思って読んでいましたが、あらためて書籍でまとめて読むとさらに面白かったです。

 

 

 

 コロナ前に様々な国に海外旅行に行っていたのですが、そこで気づいたことがありまた。それは何かと言うと、色々なサービスや物がそんなに安くないということ。例えば、アラブ首長国連邦のドバイに行った時、ドバイモールという非常に巨大なショッピングモールの中にダイソーが入っていたのですが、そこでの価格は100円ではなく日本円にすると確か300円ほど。 全然安くないなと思ったことを覚えています。

 

 

 

 その後タイに行った時にも同様のことを思いました。 タイでもモールに行ったのですが、洋服や家電製品を売っているブースでは、多少日本より安いなとは思ったのですけれども、驚きの安さというものではありませんでした。 食品に関しても同様で、確かに安いレストランや露店などもありましたが、フードコートやレストランなどは日本円にすると日本でランチを食べるのとそんなに変わらないような料金のところも多く、経済が成長して物価が上がっているんだなと実感しました。



 

 

なぜこのようなことが起きているのか。それを本書ではさまざまな商品の国際的な比較と、長年抜け出せないデフレマインドによるものであると解説されています。気になったのは点として、

 

・ディズニーランドは世界の中で東京ディズニーランドが最安。ダイソー、くら寿司が100円なのも日本だけ。アマゾンプライムの年会費もアメリカではアマプラは13000円、フランスは6200、ドイツは8700円となっており日本が最安。

 

・なぜここまで値段が安いのか。デフレから抜け出せずに商品の値段を上げることができない状態が続いているためであり、それが経済の成長を妨げてしまい悪循環となっている。

 

・日本の実質賃金が下がり続けていて、これは先進国では日本のみ。

 

・世界と比較すると年収1400万円を稼いでいても富裕層とはならない。

 

・水産業界は苦境に立たされている。世界的な健康ブームで国際市場で魚が買われており、日本は高価格を出せないので買い負けてしまう。そのうち、日本人の口に魚が入るのは難しくなるかもしれない。

 

 

 外国人観光客の人たちが日本に高いサービスの質を求めてしているというのは一つの理由かもしれませんが、一番来ている理由としては先進国の中では非常に安いからであるということが説明されています。 確かにアジアの国々からの国々の人からすれば当然サービスの品質も良く安い国が近くにあるのであれば、ヨーロッパやアメリカなどに行かずに、日本で物を買い、安くて美味しい料理を食べるほうが合理的です。

 

 

 

 この本を読んで思ったのが、私たち消費者にしても安いサービスをただ単に喜んでお金を払うのではなく、必要なサービスや価値のあるものにはしっかりお金を払って行くということが必要なのだということ。 少子化と低高齢化の影響もありもちろんありますが、国内で生み出された価値あるものにしっかりとお金を払わなければ長期的に見て日本全体が成長できず悪循環にさらにはまっていくことになるので、節約節約ではなく回すところにはしっかりお金を払う、こういった意識が消費者にも必要なのでしょう。とは言いつつも、外国のサービスや商品の方が質が高く価格的にも満足できるものが多く出ているのでそれを選んでしまうことも多いのは事実。この点は自分の投資判断としても覚えておかなければならないことだと思います。

 

 

 

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