ミニマリスト ひかるの本棚

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【心がつながるのが怖い】を要約。無意識が築く自己防衛

 

 

 

 先日読んだこちらの本がとても面白かったので同じ著者の二作目の作品を読んでみました。

 

koizumihikaru1234.hatenablog.com

 

 

 前回はHSPについての内容でしたが、本書では主に心の自己防衛、防衛機制についての話が中心となり、著者のイルセ・サンが担当したクライアントのエピソードやその解説が中心に書かれています。

 

 

心がつながるのが怖い 愛と自己防衛

心がつながるのが怖い 愛と自己防衛

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 心理学、特にフロイトの著作やその流派のものを読んだことがある方には馴染みのある防衛機制という言葉ですが、私たちが意識をしていない時でも、無意識が心が傷つかないように守るための方策のことを言います。分かりやすい例だと、自分にとって都合の悪い過去の出来事をすっかり忘れてしまったり、逆にとても良い経験だったと思い込んだりするなどが挙げられます。

 

 

 本書ではさまざまな過去の生い立ちや経験から無意識に身に着けた自己防衛について解説がされています。愛する人を失いたくないためにそもそも対人関係を築かないように避ける、過剰に両親やその思い出を美化する、パートナーと親密になるタイミングでいつも喧嘩して分かれてしまうなど、自分が自覚していない行動にこのような自己防衛の心のメカニズムが隠れていることもあるとのこと。

 

 

 

 私自身も順風満帆な子ども時代や青春時代を送ってきたわけではありませんでしたので、これは自分にとっての自己防衛だなと思い当たることがいろいろありました。

 

特に気になった点は、

・親を理想化し、自分も理想化するパターンの場合、完璧な両親だったという記憶は、自分も同じように完璧だという想像を生み出しかねまず、そのような人は他責、失敗を人のせいにする傾向がある。

 

・親を理想化し、自分のことは蔑むパターンの場合、自分がよくない人間だと思いがちになってしまう。

 

・自分の幼少期や両親について度を超えてポジティブに語る度合いと、その人が実際にはどれだけつらい幼少期を送ってきたかという度合いは比例する。

 

 

 

 ドキッとするような記述も多くありますが、対人関係を築くのが苦手な方やなぜか人と距離を取ってしまうなど、理由がわからないけどそのような不可解な行動をしてしまう方は読んでいてヒントが得られるかもしれません。