ミニマリスト ひかるの本棚

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【絶滅の人類史】なぜ他の種ではなくヒトが生き残ったか

 

 

 

 地球上には人類を含めて様々な動物がいますがなぜこれほど人類が地球上に多く繁栄することができたのか。先日ブログにも書いたサピエンス全史ではその理由として、認知革命、農業革命、科学革命が挙げられています。

 

 

koizumihikaru1234.hatenablog.com

 

 

 

 先日読んだ「絶滅の人類史」では認知革命が起こる前のそもそもサピエンスがなぜこのように生き残ることができたかについて詳細に説明がされていてとても興味深かったです。

 

 

 

 本書ではヒト、ホモ・サピエンスが他の生物種とは違う特別な理由として以下の2つが挙げられていました。

・ヒトに近縁な生物から25番目に近縁な生物まではすべて絶滅している。

・生物として変わった特徴をもっている(直立二足歩行と犬歯の縮小)

 

 特に面白いと思ったのは直立二足歩行というのは人類以外には進化の過程として採用した生物がいないということ。これは何故かと言えば直立二足歩行は走るのが遅くなるからであり、直立二足歩行だと他の捕食動物から逃げることが難しくなるからであるそうです。それでもなぜこのような直立二足歩行が進化したかと言うと私たちの祖先は手に食べ物や荷物を持ってそれをその状態で移動していたからだと考えられるとのこと。

 

 

 

 また、二足歩行は短距離よりも長距離向けであり、四足歩行のチンパンジーなどよりも酸素の消費量が少ないので、長距離を走ることで他の動物よりも早く食べ物にありつくことができ、それを手に持ったまま家族に持って帰ることができた可能性があるのだとか。このへんの話はBORN TO RUN 走るために生まれた ―ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族” という本にも書かれており、人体の構造と進化についてあらためて学ぶことができました。

 

 

 

 

 また私たちは犬歯を持っていますが、肉食の動物であるライオンなどと比べるととても小さいです。小さくなった理由についてははっきりしたことはわかってないそうですが、同種の中で争うことがなくなり武器としての犬歯が小さくなったもしくは固いものを食べるようになって犬種が他の歯よりも縮小したことが考えられるというのこと。

 

 

 

 

 その他、脳が大きくなった理由や他の霊長類は死ぬまで閉経しないがヒトだけは閉経後もなぜ生き続けるかなど知的好奇心を刺激される内容が最後まで続き非常に楽しい一冊でした。生物としてヒトがどのように進化してきたのかを学びたい方にはピッタリだと思います。