ミニマリスト ひかるの本棚

書評がメインのブログです。

【知的生活の設計】日々を知的に楽しむために


知的生活、というとどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。一日中本を読み、執筆活動に励むというような作家のような生活……そんな想像する人が多いかもしれませんが、本書を読んで知的生活がとても身近に感じられました。

 

 

 

 

知的生活の設計
先日読了した堀 正岳さんの「知的生活の設計」の書評です。

 

 

知的生活の設計―――「10年後の自分」を支える83の戦略
 

 

 

 

著者の堀さんいわく、知的生活とは「情報の向き合い方」だと本書の冒頭で説明されています。渡部昇一さんの「知的生活の設計」や、「知的生産の技術」で知られる梅棹忠夫さんを引き合いに出しながら、

 

 

知的生活とは、新しい情報との出会いと刺激が単なる消費にとどまらず、新しい知的生産につながっている場合だと考えるのです。

 



と、単なる消費ではなくて再生産するものであるとのこと。こう考えると、今の時代はほとんど誰もが何かしらのメディアで情報を得て、ネットやSNSに限らず日々の仕事へアウトプットする機会があるので、知的生活とは現代では非常に多くの人にあてはまる生活のあり方なのだと感じました。

 

 



知的生活のメリット
昨今のニュースやさまざまな情報に触れていると「将来に役立つ」「自己投資で年収アップ」「近いうちになくなる仕事のためにリカレント(学び直し)を」など、実利的なものが非常に多いように感じます。

 

それは確かにそのとおりですし、未来を予測して勉強をすることは必要だと思いますが、あまりにも多すぎて趣味なども生産的であるか、将来に役立つかというような視点でばかり見てしまいがちな気がします。

 

この点で「知的生活」という言葉はいかにもメリットがありそうな言葉に感じられますが、わかりやすいメリットはないと書かれています。

 

 

本書でこれから「知的生活の積み上げ」という言葉が登場するたびに、それは誰かが褒めてくれるから学ぶものでも、わかりやすい収益があるから追求するものでもなく、あなたがあなた自身であり、他の誰でもないことを思い出させる情報とのふれあいだということを意識してみてください。

 



世界最高齢のプログラマーとして注目された若宮正子さんが「独学のススメ」で、未来を見越して勉強しても技術の進歩のほうが圧倒的に速く、数年先にはまったく役に立たなくなっている可能性が少なくない。だったら好きなことをどんどん勉強していきましょう、というようなことを書かれており、たしかに一理あるなと思ったことを思い出しました。

 

学ぶことや好きなことを追求していくのは自分が楽しみため、そこに実益的なメリットがついてくるかは別の話。とても共感しました。

 

 

知的生活を生み出すツール
その他に参考になったのはアプリの紹介や使用方法について。Spotifyについて説明している項目では、自分だけのプレイリスト作り方が紹介されています。

それでは Spotify で「クラシック」や「ジャズ」いったジャンルに縛られない、自分のためにキュレーションされたプレイリストを作り、そこから新しい音楽と出会う方法について紹介しましょう。
すでによく知っているアーティストから始めても良いですし、 Spotify が用意しているプレイリストを起点として、気になった曲を「プレイリストに追加」機能を使い、手動で追加して行ってもいいでしょう。
魔法が始まるのはここからです。 Spotify はたとえ一曲からであっても、Radio機能によって世界中の人々とかその曲と一緒に聞いている楽曲を機械学習で自動的に推薦することができます。たった数曲を登録しただけでのプレイリストからも、関連した音楽をどんどん開拓できるのです。

 

Spotifyは何年も使っていますが、正直好きなアーティストの検索やDaily Mixだけしか使えていませんでした。実際この使い方をしてみたところ、今までまったく知らなかったけど自分好みの音楽が見事にプレイリストに追加され再生されています。他には「文賢」という日本語版のGrammaryが気になりました。

 

↓Grammaryについては自分でも記事にしています。

koizumihikaru1234.hatenablog.com

 

 

 

 

ブログはだいぶペースダウンしていましたが、知的な積み上げには最適なメディアという項目でとても刺激されました。いつの間にかあまり更新しなくなってしまいましたが、久々に文章を書いているとやっぱり楽しい。「常にアマチュアであることを目指す」の項目に書かれているコラムでように

 


私たちの知的な積み上げは砂漠の中の一粒の砂に過ぎないのかもしれませんが、それでも私たちが選び出した、奇跡の一粒ともいえるのです。だからこそ、知識の量そのものではなく、自分自身にしか見つけられない知的積み上げを目指すのです。

 

 

誰のためでもなく自分のために、発信を続けてみようと思いました。何か発信してみたい方、日々の生活にマンネリ感がある方には刺激的な一冊になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

ランキングに参加しています。もしよければ下のアイコンをクリックお願いいたします。

ブログランキング・にほんブログ村へ