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【お金に強くなる生き方】お金に振り回されないために

 生きていく上でお金は必ず必要なもの、大切な道具ですが、あまりにもそればかりを考えてしまうと生活の質は上がらないばかりか、かえって損なってしまうのかもしれません。

 

 

 

 

 

お金に振り回されない生き方

 

 先日読んだ佐藤優さんの「お金に強くなる生き方」の書評です。

 

お金に強くなる生き方 (青春新書インテリジェンス)

お金に強くなる生き方 (青春新書インテリジェンス)

 

 

  著者は青春新書シリーズで「人に強くなる極意」「ずるさのススメ」などさまざまなテーマで出版されています。人間関係や処世術といったものが多い印象でしたが、こちらの本で扱っているテーマはお金。資本主義社会の中で生きていく上では切っても切り離せないものです。

 

 本書は株やFXなどの金融商品で儲けましょうといったノウハウ本ではなく、お金とは無縁でいられない世界の背景や、その中で資本家ではない人々がどのように生きるべきかが書かれています。お金は非常に重要。それを認識した上で、それでもお金に振り回されずに生きていくための考え方や具体的な方法に言及されています。

 

 また、本書を読んでいると幸せな生活とは金銭の多寡ではなく、自分の価値観がどのようなものかを自覚するのが最も大事なことなのだとあらためて思わされました。人と比較せずに自分の幸福を追求すること。それがいつの時代でも幸福に生きるコツなのだと思います。

 

 

 

 

お金とは、人間と人間が商品やサービスを交換する必要から生まれたものです。繰り返しますが、資本主義社会でお金を抜きに生きていくことはできません。だから、お金をバカにしてはならないのです。しかし一方で、お金に振り回される生活をしても幸せな一生を送ることはできません。

 

 

 

 

 

男女別で見ると、男性は「年間給与額300万円超〜400万円以下」の層で18.7%で最も多く、次いで「400万円超〜500万円以下」が17.1%。女性で最も多いのでが「100万円超〜200万円以下」の26.1%で、次いで「200万円超〜300万円以下」が21.8%となっています。
 おそらく、この数字が一般的な日本人の給与所得者の実感に一番近いのではないでしょうか。つまり、年収300万円台が中央値なのです。

 

 

 

 

 

近代経済学では、市中にお金を流せば物価が上がり、企業業績が上がっていずれは賃金に跳ね返ると考えられています。しかし、マルクスは「貨幣退蔵」という言葉で、それが簡単にいかないということを150年も前に指摘しています。
 大量に刷られたお金はどこかでせき止められ、全体に行き渡らない。せき止めるのは誰かといえば、内部留保する企業や個人です。この滞留が起こるため、いくら貨幣量を増やしてもなかなか市中には浸透していきません。また、余ったお金が投資に回される場合でも、株やFX、不動産投資など金融経済のほうに流れていき、実体経済になかなか向けられないという状況もあります。

 

 

 

 

 

 

2008年、サブプライムローン問題やリーマンショックで世界経済が大混乱になったとき、イスラエルの友人が「日本人の優秀さがあらためてわかったよ」と話してくれたことがありました。日本の機関投資家たちは、サブプライムローンを証券化した商品をほとんど購入していなかったのです。そのため諸外国に比べてそれほど大きなダメージを受けずにすんだのですが、その背景には米国初のなりふりかまわない新型金融商品に対して、「なんだかあやしい」と感じる日本人の繊細で鋭い意識があったというのです。
「いや、それは単に乗り遅れただけだろう」と彼に言ったのですが、「違う。サトウは日本人だからわからないかもしれないが、これは日本人にしかいない慧眼なんだ」と。

 

 

 

 

 

では、どんなことにお金を使うべきか。
 まず、自己投資には惜しみなく使ってください。問題は何を自己投資するかですが、勉強してスキルを身につけること以外にも、私が強調したいのは健康への投資です。
 まず自分の体の状態をよく知ること。会社の健康診断を受けている方も多いでしょうが、受けないよりはましというレベルで、それだけでは不十分です。特に40歳をすぎたら、独自に検査を受けたほうがいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

よくトイレがきれいな家はお金持ちだと言われますが、これもけっして迷信ではないのです。トイレがきれいならまず部屋もきれいだし、財布もきれいに使っているはず。すべてつながっていて、トイレだけがきれいな家なんてないのです。

 

 

 

 

 

生きたお金の使い方とは、一生の思い出に残るようにすることではないでしょうか。しかも、自分一人のためではなく、家族や友人と楽しさ、思い出を共有できるように使う。旅行というのは、それを実現する一番の形です。

 

 

 

 

 

 考え方だけでなく、経済についても多くことが学べる一冊。これからのビジネスについても言及されているので、色々な分野で勉強になると思います。

 

 

 

 

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