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【マルチ・ポテンシャライト】大きくなったら何になりたい? の答えはひとつである必要はない。

 子供の頃、将来の夢や大人になったらどんな仕事をしたいのかを聞かれたことがない人はいないと思います。僕自身は全然やりたいことがない子供だったのですが、あれもやりたいこれもやりたいと、希望がたくさんあった方もいると思います。

 

 

 

 

 

 

マルチポテンシャライトとしての生き方

 

エミリー・ワプニックさんが書かれた「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして一生食っていく方法」の書評です。

 

マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法

マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法

  • 作者: エミリー・ワプニック,長澤あかね
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2018/08/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 著者は昔からやりたいことが多く、音楽、映画、法律などジャンルが別々のもので自分が携わりたいものがあったそうで、そのようなジャンルを問わずやりたいことがたくさんある方がどのようにキャリアを築いていけば良いのかということについて書かれています。原題は「How to be everything」。

 

 仕事、という視点だけでなく趣味やボランティアなどさまざまな活動を含めやりたいことを全部やりましょうという著者の考え方ととても感動しました。また、現実的に稼いで生活を立てていくという時にも、いくつかの方法があるので、全部で合格点を出す必要がないということも非常に共感です。

 

 やりたいことがたくさんある、いろいろなものに興味を持っているという方はぜひ一読されることをおすすめします。

 

 

 

「 専攻を決めろ」「得意なことに的を絞れ」「自分にぴったりな仕事を見つけろ」と周りは迫ってくるけれど、人は自分が何者で、自分の人生にどんな意味があるのか、理解しようともがくものなのだ。外から、内からのプレッシャー、自分という存在をめぐる、アイデンティティをめぐる悩みに、心の中が大混乱に陥る。しかもこの混乱は、青春のシンボルなどではない。私たちの多くにとって、生涯続く悩みなのだ。

 

 

 

 

 

「大人になったら何になりたいの?」が、心を打ち砕く力を持つのは、そこに「一つに絞れ」という含みがあるからだ。5歳のあなたが10通りの夢をぺらぺらしゃべっていたら、質問した大人はきっと「あのね、そのどれになりたいの? 全部は無理だよ!」と言うだろう。(中略)「大人になったら何になりたいの?」は「この人生で許されているアイデンティティは一つだけ。だから、どれにするの?」という意味だ。

 

 

 

 

 

 

どのようにキャリアを構築するのかは、個人の好みや興味の性質によるところが大きいが、結局大切なのは、人生全体を見渡したときに、「お金」と「意義」と「多様性」がすべてそろっていることだ。あなたのキャリアは、人生全体の目標とつながっていなくてはならない。仕事は「イヤだけど、生活のためにしなくてはならないこと」ではなく、人生に欠かせない、人生を支えてくれる力であるべきなのだ。

 

 

 

 

 

 

生きるためにある程度のお金が必要なのは誰しも同じだが、どれくらい必要かは人によって大きく違う。(中略)経済状況がどうであれ、大事なことは、自分の目標収入に加えて、自分が何を大切にしているかをはっきりさせること。いくら必要なのか、それはなぜなのかを明らかにせず、やみくもに「もっともっと」と求めていたら、いつまでも足りない気分で過ごすことになる。

 

 

 

 

 

幸せで成功しているマルチ・ポテンシャライトに話を聞いたところ、「多くの収入を得るだけでは満たされない」と言う。人は「大事なことに携わっている」と感じる必要があるのだ。あなたの目標も、どうでもいい雑用をいくつもこなして、生活費をまかなうことではないはずだ。生計を立てることは大切だが、「有意義なことをしている」という実感がなければ、「お金」も「多様性」も意味をなさない。

 

 

 

 

 

自分自身と、自分の原動力を知れば知るほど、仕事選びを容易になる。経済的な目標を満たしてくれるだけでなく、自分にしっくりくる仕事が選べるようになる。自分がこれまでに何に意義を感じてきたかだけでなく、なぜこうした活動に充実感を覚えたのかを理解する必要がある。

 

 

 

 

 

マルチ・ポテンシャライトはたいてい、一生のうちに多くのプロジェクトや活動に携わるが、もうかるものももうからないものもあるだろう。結局のところ、どの活動が収入をもたらしてくれるかは、問題ではない。全体として、生活していけるお金があればいいのだ。
 同じように、お金のためだけに何かに取り組んでも構わない。はっきり言えるのは、自分の仕事を嫌うべきではないこと。

 

 

 

 

 

マルチ・ポテンシャライトにとって理想的な、ただ一つのキャリアなど存在しない。でも、一つ気づいたことがある。それは、幸せなマルチ・ポテンシャライトの大半が、次の4つの働き方のどれかを採用していることだ。
ワークモデル その1:グループハグ・アプローチ 一つの多面的な仕事またはビジネスに携わることで、職場で多くの役割を担い、いくつもの分野を行き来できること。

ワークモデル その2:スラッシュ・アプローチ パートタイムの仕事やビジネスをいくつか掛け持ちし、その間を日常的に飛び回っていること。

ワークモデル その3:アインシュタイン・アプローチ 生活を支えるのに十分な収入を生み出し、ほかの情熱を追求する仕事とエネルギーも残してくれる、フルタイムの仕事かビジネスに携わること。

ワークモデル その4: フェニックス・アプローチ ある業界で数ヶ月、もしくは数年働いたあと、方向転換して、新たな業界で新たなキャリアをスタートさせること。

 

 

 

 

 

 

かつて好きだったことへの興味を失い、恥ずかしさ、実存的不安(生きている意味がわからなくなる不安)を抱いたときに、思い出してほしいことをいくつか挙げたいと思う。
1 マルチ・ポテンシャライトだから、方向転換するのは至って当然のことだ。
2 さらなるわくわくがやってくる。
3 「仕事=あなた」ではない。
4 期待値を上げすぎないこと。

 

 

 

 今のやっている仕事はとても好きな仕事ですが、それでもまだまだ経験してみたい職業はたくさんあります。人生100年時代を生きていく上でも、複数のキャリアを持つことは楽しむ上でも、仕事をしていく上でも重要なことです。「ライフシフト」と併せて読んでおきたい名著だと思います。 

 

 

 

 

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