ミニマリスト ひかるの本棚

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政治って何? を学び直す

 新聞を読んでいて、なんとなく習ったような気がするけど、これどういう意味だっけと思うことがよくあります。不勉強が身にしみているのですが、どんな分野でも学び直すことが遅すぎるということはありません。

 

 

 

 

 

 

政治は初歩から学び直す

 

 本日紹介するのは池上彰さんが書かれた「政治のことよくわからないまま社会人になった人へ」です。

 

政治のことよくわからないまま社会人になった人へ―ひとめでわかる図解入り
 

  

 シリーズものになっていて、政治だけでなく経済・会社などさまざまなジャンルで書かれています。他のシリーズも読みましたが、池上彰さんの著作のわかりやすさは毎回圧倒的だと感じます。

 

 伝える力でも書かれていましたが、週刊こどもニュースでの経験からか小学生でもわかるように噛み砕いてさまざまなトピックが書かれており、馴染みのない言葉やよくわからずにいた言葉も非常に理解しやすかったです。

  

伝える力 (PHPビジネス新書)

伝える力 (PHPビジネス新書)

 

 

 それができるのも長年ジャーナリストとして現場で働いてきた経験と、幅広い知識に裏打ちされた知性があってのことなのだと思います。

 

 

 国王や皇帝の仕事は、それぞれが治める国の民を満足させ、反乱を起こさせないようにすること。あるいはちゃんと働いて、税金を納めるようにさせ、その税金によって、国を運営していくこと。そういった民衆の統治や国の運営など、王様の仕事のことを「まつりごと」と表現しました。それが「政治」という言葉の意味です。

 

 

 

 

 政治のスタイルは、独裁的な権力を生まれつき持っているか、選挙で与えられたかによって大きく違ってきます。
 生まれつき独裁権力を手にしている人物は、国民が辞めさせるしくみがありません。そのしくみがないため、クーデターや内乱、革命といった暴力でしか、権力者を引きずり下ろすことができません。その点、民主主義国家では選挙によって選ばれた人に独裁的な権力を与えはしますが、うまくいかない場合は、次の選挙によってその権力を奪い、別の人に委ねることができます。

 

 

 

 

 予算案と条約の批准については、衆議院から審議を始めることが決まっています。(中略)
また、予算案と条約の批准は、衆議院で可決されれば、万一参議院で否決されても、衆議院の判断が優先されます。これを衆議院の優越といいます。

 

 

 

 

 政府って、いったい何でしょうか。
 政府には、狭い意味と広い意味があります。一般的にニュースで使われる政府は狭い意味で、要するに「内閣」のことです。総理大臣と各大臣の集まりですね。内閣としての方針のことを「政府の方針」と表現するのです。
 ところが、大臣の下には、各省庁の官僚たちがいます。この官僚のトップクラスの人の人たちが考えていることを「政府はこう考えています」とニュースにすることがあります。(中略)マスコミが使っている広い意味での政府には、各省庁の幹部クラスまで入ります。

 

 

 

 

 課長から局長へと出世の階段を上がる途中で、同期の何人かに肩たたきが行われ、役所から出てもらいます。とはいえ、その人は、その時点でまだ40代や五十代。養うべき家族もいれば、生活もかかっています。そこで、どこか民間の企業に重役として受け入れてもらって、高い給料を保障しましょうということになります。これが天下りです。
 役人を好待遇で受け入れる企業は、その見返りとして省庁から優遇されることを期待します。(中略)天下りとは、事務次官がトップで働きやすくするために、事務次官以下をすべて年次が下になるしくみを作る、役所の都合だけの制度なのです。

 

 

 

 自衛権には、個別的自衛権と集団的自衛権の二つがあります。「個別的自衛権」は、「もし日本が攻められたら、国を守るために戦う権利があります」というもの。これはあって然るべき権利です。
 一方、「集団的自衛権」は、「自分たちだけでは国を守ることができないかもしれないから、友好関係にある国とグループをつくって、そのどこかが攻撃を受けたら、いっしょになって戦う」という権利を意味します。

 

 

 

 自民党総裁選、憲法改正、汚職などさまざまな政治に関するトピックが報道されています。ぼくたちの生活にも関連する出来事ですが、腑に落ちていなかったり 、難しいなと感じることをあらため知るための良書でした。

 

 

 

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