ミニマリスト ひかるの本棚

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【他人の壁】他人のことはわかるはずがない。

 この人は何を考えているんだろう。なんでこんなことをするんだろう。以前の職場でマネジメントをしていた時に一番ストレスを感じていたのはこのことでした。

 

 

 

 

他人のことはわからなくていい。

 今日紹介するのは、バカの壁で有名な養老孟司先生と精神科医の名越康文先生との共著である「他人の壁」です。

 

 

「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

「他人」の壁 唯脳論×仏教心理学が教える「気づき」の本質 (SB新書)

 

 

 どちらも大好きな方なので期待して読ませて頂きましたが、やはり期待を裏切らず中身の濃い新書でした。精神科医や心理カウンセラーの方の本を読んでいてほっとするのは、「こうあるべき」ということがほとんど書かれておらず、「そうでもいいし、そうでなくても別にいいじゃない?」というような、物事を多角的に捉えるような視点です。

 

 養老先生の著書にも少し似たようなところがあり、一つの見方・考え方に囚われる必要がないことを読んでいて教えられます。人間関係でストレスや悩みを抱えている方には色々気づきを得られるかもしれません。

 

 

 

僕に言わせると、なんでわからなきゃいけないのかという話なんですけどね。わからなくたって、お互いがぶつからなければそれでいいだけなんですよ。自分はこっち行くけど、あなたはあっちへ行く。そういうことでまったく問題ないし、人ってそういうものだと思いますけどね。

 

 

 

わかる方法じゃなくて、わからない理由を先に言ってしまうと、多くは前提が違うからです。前提が違う人に、いくら言葉を投げても、相手に刺さるはずがない。

 

 

 

今の世の中は意味のあるものしか価値がないと思っている。すべてが意味に直結する社会。それを情報化社会というんだけど、意味のないものを全部なくした一つの象徴が、たとえばオフィスでしょう。それと対照的なのが山とか森ですよ。自然の中にあるのは、都市文化にとっては意味のない無駄なものばかり。 

 

 

 

意味がないものはいらねえって世の中だから。不正解だから意味はないと。ぼくが虫の標本見ていると、それなんか意味あるんですかって聞いてくる。逆に聞きたいけどね、おまえに意味があるのかって。おまえが無意味に生きていることを俺はちゃんと許容しているじゃないかと。

 

 

 

子供という存在って、言い換えると自然なんですよ。ロボットみたいな人工物を設計するみたいに、思い通りに産んだり、育てたりできないでしょう。つまり自然です。都市化するということは、自然を排除することと同義ですから、子供は都市から排除される存在です。

 

 

 

固定観念がよくないから仏教では色即是空を繰り返すんでしょう。
そうです。仏教では固定観念を振り払うことで、無知からの脱却を目指しますからね。「これはこうに決まっている」と信じ込んでいることが、すべて空であること、感覚や認識がすべて変幻自在で自由自在ということ。他人を見下している人というのは、自分が固定観念に縛られていることをどうしても理解できません。

 

 

 

 今でこそ他人の行動がよくわからないといってストレスを感じることはほとんどありませんが、悩んでいた昔に読んでいればもっと楽だったのではと思いました。

 

 

 

 

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