ネットで情報収集はNG? 知の巨人たちに学ぶ取捨選択の方法
安価で簡単にさまざまな情報をすぐに集められるようになったと感じる今日この頃。しかしながら、必ずしも質の高い情報ばかりではない、と感じてしまう今日この頃です。
それって本当?
以前不摂生が原因で病気になったこともあり、なるべく健康には気を遣うようにしています。そんな時に僕が一番気になったのは、「何を食べれば健康的なのか」ということ。そこで一番手っ取り早いネット検索で調べてみる。すると、膨大な情報が表示されるのですが、よくよく見てみるとさまざまな疑問が湧いてくることも多くあります。
つまり、「これって本当?」
なぜこういう疑問が出てくるかというと、よーく見ると掲載されたのが10年以上前だったり、それぞれのサイトで言っていることが全然違っていたり、広告に誘導するために個人的な意見がものすごく強調されているようなことがよくあるからです。
健康に限らず政治、ビジネス、ゴシップなどさまざまトピックの情報を簡単に収集できる一方で、玉石混交の中からいかに玉を探すのか、ということにはテクニックがいると感じるようになりました。
先日参加したこちらのイベントでも情報の取捨選択についてのお話があり非常に参考になりました。
apital-withnews-event.peatix.com
朽木さん曰く、情報の選択には、
1. NGワードに注意する。 (すぐに!とか究極の●●など)
2. エビデンス(根拠)があるのか。
3. 因果関係があるか。
(例えばメタボリックシンドロームの診断を導入してから肥満が減ったという場合、メタボ診断を受けるような人は、もともと健康意識の高い人が多い。そのような人たちが多くくれば、良い数値になる。診断を導入したから健康が改善したとは言えない。因果関係があると断定すべきではない)
朽木さんの本はこちら。
健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (BuzzFeed Japan Book)
- 作者: 朽木誠一郎
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2018/03/25
- メディア: 新書
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知の巨人から学ぶ情報収集術
話が逸れましたが、数ある情報の中から価値ある情報を探し出すにはコツがいるということ。
現代の知識人として活躍されている池上彰さん、佐藤優さんが毎日実践している方法が参考になったので引用いたします。
僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
- 作者: 池上彰,佐藤優
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: 単行本
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まず新聞で日々のニュース全体を捉え、ニュースで気になるテーマがあれば、書籍で深掘りしていく。ニュースをきっかけにして、わからないところが出てきたら関連する本を片っ端から読む、というイメージです。
新聞の読み方について、重要な大前提をひとつ。「新聞は少なくとも2紙以上読まなければ危険だ」というのが池上さんと私の、現在の共有意見です。
読むといっても、一字一句すべてを通読する必要はありません。新聞はあくまで「飛ばし読み」が基本です。朝刊の文字数はおよそ20万文字と言われていて、書籍にすれば新書約2冊分。じっくり読んでいたら、それだけで1日が終わってしまいます。
誰もが情報発信できるということは、裏を返すと、新聞や雑誌がもつ編集と校閲という重要な2つの機能が欠如しているということです。メディアには編集部があり、内容「チェックして明らかにおかしい原稿は掲載しないというフィルター機能もあるわけですが、他者の目を通さない個人サイトでは、自己中心的な意見や強い偏見を含んだ論説もそのまま載ってしまいます。
本から得られる情報は「安い」
セミナーや講演会なんかもそうですね。何千円かの受講料を払って90分の話を聞いても、書籍のページ数に換算すると、たいしたことはありません。
歩きスマホをしないのは、時間の使い方にメリハリがついていることの表れですよ。先日、東京大学で講義したとき、どうこうしたテレビ局のプロデューサーが面白いことに気づいたんです。「歩きスマホをしてる東大生をひとりも見ない」と。名前が出しませんが、ある大学に行ったときは、ほとんどの学生が歩きスマホをしていたそうです。それから意識して東工大でも観察していますが、大岡山キャンパスでも歩きスマホをしている学生はまず見かけません。
※歩きスマホについてはその通り。やめようと思いましたw
知ることは、何よりも楽しみである。
新聞は毎日読むようにしていましたが、時間のある時は複数のものに目を通すようになりました。これが大変かと言われるとまったく逆で、それぞれの視点で物事の捉え方がまったく異なっていたり、そもそも取り扱わない記事があることを知ることができ、知的な楽しみが増えたと日々感じています。
この本で解説するのは「読みこなす技法」になりますが、その根底にあるメッセージは、知は武器であり楽しみでもあるということです。
情報の真偽を見極めるのももちろんですが、読み解く作業そのものが知的好奇心を刺激する楽しみである。それを大いに教えてくださる良書でした。
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