【読書の技法】速読のコツは、読まない本を決めること。
学びたい、知りたいことは数多くあります。ですが、使える時間の量が限られているので、限られた時間を、いかに大事なことに使っていくのかがもっとも大事なことなのだと思います。
読まないものを決めることがもっとも大事
先日読んだ佐藤 優さんの「読書の技法」の書評です。
読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/07/27
- メディア: 単行本
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「多い時には月に500冊以上」という記述と、よくある速読術の類ではないという冒頭の文章にひかれ読み始めました。読んでいくと、確かに速読術によくあるような「目の動かし方」であるとか、「上から眺めるように斜めに読む」などのテクニックではなく、記憶にしっかりと定着させる技法が紹介されています。
また、本には熟読すべきもの、そうではないないものなど区別する必要があると書かれています。そして、速読する上でもっとも大事なことは読まない本を決めること。
ショーペンハウアーの「読書について」でも同様のことが言及されているのを思い出しました。
良書を読むための条件は、悪書を読まぬことである。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。
- 作者: ショウペンハウエル,Arthur Schopenhauer,斎藤忍随
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/07
- メディア: 文庫
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気になったところを引用してみます。
人間が一生の間に読むことができる本の数がたいしてないのである。この熟読する本をいかに絞り込むかということが読書術の要諦なのである。
数ある本の中から、真に読むに値する本を選び出す作業の過程で速読術が必要とされるのだ。速読の第一の目的は、読まなくてもよい本を外にはじき出すことである。
一般論として、難解な本には2通りある。第一は、概念が錯綜し、定義がいい加減で、論理構成も崩れている本である。(中略)第二は、議論が積み重ね方式になっているため、覚えなくてはならない約束事、さらに抑えておかなくてはならない事実関係が多く、読むのに時間がかかる本である。
入門段階で、基本書は3冊、5冊と奇数でなくてはならない。その理由は、定義や見解が異なる場合、多数決をすればいいからだ。
「時間は有限であり希少財である」という大原則を忘れてはいけない。速読はあくまで熟読する本を精査するための手段にすぎず、熟読できる本の数が限られるからこそ必要となるものだ。速読が熟読よりも効果を挙げることは絶対にない。
本を読み終えてしばらく経つと、何が書いてあったかということの記憶が薄れてしまう。いかによい内容の本を読んでも、その内容が記憶に定着せず、必要なときに引き出せなければ意味がない。いざという時に役に立たない知識など、いくら詰め込んでも無駄だ。この点を改善するために、読書後30分かけて補強作業をするとよい。線で囲んだ部分をノートに書き写し、その下に簡単なコメントを走り書きするのだ。これだけで記憶への定着がまったく変わってくる。
繰り返しになるが、数学は頭だけでは理解できない。語学同様に体で覚える技法(テクネー)の性格があるからだ。覚えこむためにはノートとシャーペン(もしくは鉛筆)が必要だ。
結局覚えていないと同じ本をもう一度読むことになることもあるので、気になった箇所にどういう印象を抱いたかなどを書いて残すことが、結果として効率が良いとだと思いました。
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