本が読めなくなった祖母へKindle ー 高齢の方にこそ電子書籍を
「本が読めなくなった」
読書家だった祖母が、電話で話していた時に漏らしていた言葉です。
My Kindle
読書を教えてくれた祖母
母方の祖母は今年で90歳。
小さい頃からとても僕を可愛がってくれ、家に行くたびに書道や絵画などの創作を色々教えてくれました。
祖母が熱心に読書している姿はあまり覚えていませんが、本棚にはたくさんの本があり、小学校に入ったぐらいから読書を勧められて童話などを読んだ覚えがあります。
また、戦時下を生き抜いてきた方なので、小学校高学年頃には当時ベストセラーになっていた「少年H」を勧められ、夢中になって読みました。
長編小説を読破したのはこの本が初めてだと記憶しています。
その後は歳を重ねるにつれて河合隼雄先生のエッセイ、山本周五郎さん、山崎豊子さんの小説などを借してくれて、僕もオススメの小説を持っていくなど、世代は全く異なりますが本について語りあう機会が多くなりました。
本も新聞も読めなくなる
社会人になってからは多忙で祖母と会う機会が随分減りました。
それでも年に何回かは電話で連絡を取っていましたが、お互いの近況や体調の話しになることが多く、かつてのように本の話題で盛り上がることはほとんど無い状態に。
そして、最近は約3年会えていませんでした。
しかし、転職のために一時的に実家に戻ることが決まった直後、電話で数年ぶりに本について話しました。
会えなかった長い期間で面白い本をたくさん見つけたので、今度持って行くと伝えた僕は喜んでもらえるかと思いきや、予想とは違うまったく異なる反応。
「目が悪くなってから小さい字が読みづらくて、新聞も本も読めなくなっちゃってね…」
かつて熱心に語り合った本は、会っていなかった数年の間で読めなくなってしまったと。
とても楽天的な祖母は暗いところを見せないので「面白い本があったら読んで聴かせてよ!」と元気に言い、その日は電話を終えました。
歳を重ねるにつれて出来ることが否応無しに限られていく。
自然な事ですが、これまでの祖母とのギャップを感じてしょんぼりしながら、ふと思いました。
「目が悪いばあちゃんが、本を読めるようになる手段って無いんだろうか」
電子書籍はどうか?
祖母の話を聞いていて思ったのは、読めない原因は新聞や本の字が小さすぎる事だと感じました。
であれば、文字をかなり大きくした電子書籍なら読めるのではないかと思ったのです。
電話してから4か月ぐらい時間が経過してしまいましたが、先週末に久々に会って渡す事ができました。
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最初は不慣れな機械に対して拒否反応を起こすのではないかとちょっと心配しました。
しかし、かなり文字を大きくして、祖母の好きそうな本を開いて簡単に操作の仕方を伝えたところ
「…あら、これなら読めそうじゃないの!」
喜んでもらえました^^
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高齢の方にこそ電子書籍をオススメしたい理由
※祖母とKindleと記念撮影
機械が元々得意な人ではないので、「無理無理」と拒絶されるかと思ってましたが、あっさり受け取ってもらえてとても嬉しかったです。
そして、頭で思い浮かべていた「高齢の方には電子書籍はとてもオススメの品なのでは」という考えは案外間違っていなかったと思っています。
僕がオススメしたいメリットは3つです。
1. 文字の大きさを調整できる
小さい字が読めないという方でも大きさを自由に変えられること。
これが一番のメリットだと思っています。
こちらの記事によると70代以上で「本を読まない」と答えた方は約6割。
文化庁によると、目が悪いなど健康上の理由から読めない方が多いとみられているようです。
祖母にKindleを渡した時の文字の大きさは
これより多分大きかったと思います。
新聞や文庫は文字が小さすぎて、改行がどこでされているのか分からなくなってしまうという問題も解消できました。
2. 操作が簡単
以前に読んだ「1万円起業」という本から引用です。
「機械オンチ」という言葉が死語になるほどにテクノロジーは使いやすくなり、かかる費用も劇的に減った。
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今の機械はボタンがほぼ無いし、誤って変な操作をしてしまうこともほとんどない。
簡単に使い方を説明した後は「なるほどねー」と問題なくページをめくっていて、テクノロジーの発達に感謝です。
(LAN環境がないので、伝えたのはダウンロードした書籍の読み方だけですが)
3. ブルーライトの量が少ない
初めはオーディオブックも使えるipadを持って行こうかとも思いました。
しかし、以前に目の病気で手術をしていて、ブルーライトはあまりよくないと聞いていたのでKindle paperwhiteを選びました。
どれぐらい効果があるのかは分かりませんが、Kindle端末が一番目の影響が少ないようです。
まとめ
自力で新聞や本を読めるうちは必要はないですが、読みたいけど読めないという方にはKindleはとても重宝するツールだと分かりました。
うちの祖母は電子書籍の存在は知っていたようですが、難しそうという理由から自分から購入しようとまでは至らなかったようです。
老眼などで本が読みづらいという方にはとても良いプレゼントになると思います。
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